捨てられる食材などからエネルギーを作り、排出される熱やCO2まで活用する「ビオぐるファクトリーHANDA」が2021年に稼働をスタートし、令和5年度「新エネ大賞」で資源エネルギー庁長官賞を授賞しました。

地域バイオマスで電気と農業を支える、循環型モデルの挑戦
ビオぐるファクトリーHANDAでは、半田エリアをはじめ東海地方全域から「地域バイオマス」と呼ばれる食品残さやコーヒー粕、牛ふん尿などを受け入れています。
それら地域バイオマスを2つの大型タンクで発酵させてメタンガスをつくり、メタンガスで発電を行います。最大で17,340kWh/日の電気を作ることができます。これはおよそ1500世帯分をまかなえる電気。さらに、隣接する1.5ha分のミニトマトのハウス栽培に必要な熱とCO2を作ることができ、発酵後の消化液も肥料として活用しています。

エネルギーを最後まで使い切るという発想
メタンガスを使った発電は以前からある技術ですが、食品に応用しはじめたのはここ10年ほどのこと。食品をはじめとする地域バイオマスで発電するだけでなく、そこで生まれる熱やCO2までも活用する「トリジェネ(トリジェネレーション)」を実現している点だと思います。
発電と熱など、2種類を活用する「コージェネ(コージェネレーション)」までを実現する施設は多いのですが、トリジェネまで実現した施設は他には知りません。ビオぐるファクトリーHANDAでは消化液を液肥として活用し、トマト生産にもつなげています。
また、地域の産・官・学に加え、金(金融機関)もタッグを組んで取り組んでいるところも長所のひとつだと感じます。
苦難を乗り越え、想いを実現。地域課題をみんなの力で解決していく。
2012年ごろから、「地域の未来のために何ができるか?」を八洲建設グループで調査しました。その際に太陽光や風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーに着目し、調べを進めていく中で、この地域に食品リサイクルや牛ふん尿などの臭いの課題があることがわかりました。さらに当社のプロジェクトとしてすでに進めていた、トマト生産における燃料高騰の課題に目を向け、その両方が解決できるアイデアとして、「バイオガス発電×植物工場事業」を検討し、実現しました。地域課題の解決を伴っているため、八洲建設グループだけで進めることはできず、同じ想いで課題に向き合い尽力してくださった行政職員の皆さまのおかげもあり、現在は行政でしかできない事、民間だからできる事を話し合いながら、しっかりと役割分担をして一緒に未来の街づくりをめざしています。

今後の事業活動について
まずは、ビオぐるファクトリーHANDAの安定運営をめざします。いまは毎日が勝負です。
また、受け入れている食品残さの中には、パッケージングされた食品やラップ包装された野菜などもあります。それらをより細かく分別し、リサイクルできる資源を増やしていくのも目標のひとつです。発生する熱とCO2、液肥にもまだ余剰がありますので、新たな受け入れ先を開拓していきます。
災害時の地域電源化とレジリエンス強化(地域防災)もめざしています。通常の電力がシャットダウンしても、ビオぐるファクトリーHANDAが発電する電気を地域のために使える仕組みを作り、もし災害が起きたとしても復旧復興の拠点として安心をお届けしたいと考えています。
半田エリアのおいしい食材が揃う「道の駅」をつくりたいという大きな夢もあります。農業の6次産業化を発展させ、人が集まる観光資源としても活用したいと思っています。